国内の超音速風洞設備の調査結果の掲載
調査および公開の目的
近年、超音速機や極超音速機があらためて注目されています。米国では、エアリオン社が2007年に世界で初めて超音速ビジネスジェット(SSBJ)を受注しました。欧州では、仏国ダッソー社を中心にHISACと呼ばれるSSBJ開発計画が進められています。また、極超音速機の分野では、2004年にはX-43Aがスクラムジェットを利用してマッハ9.6の飛行を達成しています。
我が国でも、JAXA長期ビジョンに超音速機の開発やマッハ5クラスの極超音速実験機の実証が盛り込まれています。また、第3期科学技術基本計画の分野別推進戦略においてソニックブームの低減が掲げられおり、これに対応して宇宙航空研究開発機構(JAXA)において2012~15年頃までにソニックブームを半減する機体設計技術の実証を行う「静粛超音速研究機の研究開発」が検討されています。2005年10月には、日本航空宇宙学会において「サイレント超音速旅客機研究会」が発足し、組織を横断してオール日本で超音速機の研究開発に取り組む気運が高まっています。
当部門におきまして1972年~1974年に渡って国内風洞の調査がなされ1,2、さらに第24・25期(1992、1993年)我国の高速風洞に限定して整備状況が調査され3、引き続き10年程度のスパンでデータの更新を継続すべきであると提言しています。
このような背景を受け、当部門では、国内の超音速/高エンタルピー流の実験設備について調査しました。2006年度末の多忙な時期に御回答いただきました関係各位に厚く御礼申し上げます。なお、本データベースは今後も更新しつづけていく方針でおります。種々事情により未掲載の装置、データの更新等がありましたら、下記担当者までご連絡ください。
本データベースが、超音速/高エンタルピー流に関する共同研究、情報交換の一助になれば幸いです。
2008年1月
第38, 39期日本航空宇宙学会空気力学部門
部門長 大林 茂
(参考文献)
- 特集“風洞の各種相似実験について,”日本航空宇宙学会誌,Vol.22,No.245, 1974.
- 資料“国内現用風洞一覧、” 日本航空宇宙学会誌,Vol.22,No.250, 1974.
- 特集“新しい空力研究設備と試験技術(その1、その2)、” 日本航空宇宙学会誌,Vol.42,No.480&481, 1994.
掲載風洞設備種類
データ追加・更新連絡先
aerocom@jsass.or.jp (空力部門幹事)
データ追加は随時受け付けいたします。