高レイノルズ数空力研究会

研究会の目的及び調査研究事項

国産航空機の開発が進められ,国内における航空機業界は新たな時代を迎えようとしている. このことは,我が国における独立した技術の確立という観点からも重要となる.航空機の空力設計では,実フライト・高レイノルズ数条件での空力性能を正確に予測することが必要不可欠となる.しかし,航空機のフライトエンベロープ全域を見渡すと,数値流体シミュレーション(CFD) が空力設計に十分な予測精度を持つ領域は巡航条件などのごく一部に限られており,機体の安定 性や操作性,離着陸性能や空力荷重など,空力設計に大きな影響を及ぼすフライトエンベロープ境界付近での空力性能予測は未だ困難である.また限られた高レイノルズ数風洞資源から風洞試験データの不足は否めず,高レイノルズ数流れの計測技術の困難さからも現象理解が不足している.

このような現状から,フライトエンベロープ境界付近での空力特性の把握は,実機飛行試験に頼らざるを得ないのが現状である. このような状況を打破するため,本研究会では,一般社団法人 日本航空宇宙学会 空気力学部門委員会の活動の一環として,我が国の産学官のCFD・風洞試験・飛行試験の英知による連携を駆使した研究活動を行い,フライトエンベロープ全領域における実フライト・高レイノルズ数空力の予測技術の向上・確立を目指し活動を行う.本研究会では,特に剥離を伴う流体現象や空力に関わるレイノルズ数効果を理解することを大きな目的とし,設置第一期4年では,最大揚力(なだらかな逆圧力勾配による乱流境界層剥離現象)や遷音速バフェット(衝撃波-乱流境界層干渉剥離現 象),縦渦現象をターゲットとし,風洞実験およびCFDからレイノルズ数効果の理解やそのデータベースの構築・公開をゴールに設定する.活動内容としては,高レイノルズ数空力に対する実験技術の確立や高レイノルズ数流れ現象の理解,CFDの予測精度向上のためのモデル(RANSやLES モデルなど)の検証や改良,またそれらによるデータベース構築を軸に研究活動を行い,その成果を学会講演会の企画セッション等を通じて発信していく.また実フライト・高レイノルズ数空力研究のスコープは広いため,研究会第一期終了後,議論の上,研究会の延長も視野に入れる.

設置期間

2017年11月21日~2022年2月末

News

  • 【NEW!!】2017/11/21(火)空力部門H29年度第3回部門委員会で設置が承認されました.

研究会予定

鋭意準備中です.

お知らせ

2017年11月より「高レイノルズ数空力」研究会が発足いたしました.本研究会では研究・開発の情報交換を図れるよう年一回程度の研究会の開催を考えております.本研究会に参加を希望される方々がおりましたら主査までご連絡を頂けますようよろしくお願いいたします.


主 査

〒980-8577 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
東北大学 大学院工学研究科
河合 宗司
Email: kawai(at)cfd.mech.tohoku.ac.jp

幹 事

〒182-8522 東京都調布市深大寺東町7-44-1
宇宙航空研究開発機構 調布航空宇宙センター
三木 肇