後援イベント:中部大学 工学部 宇宙航空理工学科公開講演会

中部大学宇宙航空理工学科の開設を記念しての公開講演会を後援しております。
興味のある方は、学内外のどなたでも参加出来ます。

講演題目

「宇宙のダークマター」

講演者

鈴木洋一郎 博士  東京大学名誉教授(宇宙線研究所)
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任教授

日時

平成30年7月9日(月) 11時15分~12時45分

場所

中部大学不言実行館1階 アクティブホール

要旨

宇宙観測・理論の急速な進展により、宇宙の謎が徐々に解明されてきた。研究の結果、宇宙を構成している物質・エネルギーのうち、原子・分子などの我々が知っている物質はわずか5%程であり、27%が正体不明のダークマター、そして残りの68%が宇宙の加速膨張に関係すると思われている謎のダークエネルギーであることが分かってきた。
今回の講演では、如何にして、ダークマターがあると思うようになったのか、宇宙の発展においてダークマターがどのような役割を果したのか、そして、今後、どのような観測や実験によって、未だ分かっていないダークマターの正体を解明しようとしているのか等を紹介する。

講演者紹介

[現在]
東京大学名誉教授(宇宙線研究所)
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任教授
[主な研究歴]
ニュートリノの研究や宇宙の研究。主に太陽から飛来するニュートリノを、神岡の地下にあるカミオカンデやスーパーカミオカンデで観測し、未だ確定していないニュートリノの微小質量に深く関係するニュートリノ振動現象の研究をおこなった。そして、ニュートリノ振動の発見に貢献した。ニュートリノ研究の更なる発展のため、高エネルギー陽子加速器で人工的に作られるニュートリノを用いた実験を近年おこなっている。また、最近は、ダークマターに興味を持ち、その正体を解明するため、液体キセノン検出器を用いたダークマター探索実験を推進した。キセノンとダークマターの直接反応を実験室で観測しようという試みである。この間、2002年~2014年は、Super-Kamiokande実験 代表者、2007年~2016年までは、XMASS実験(ダークマター探索実験)代表者を努めた。
[主な職歴]
2002年~2014年 東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設長
2004年~2008年 東京大学宇宙線研究所長
2007年~2018年 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構副機構長
[受賞]
ニュートリノの研究、特にニュートリノ振動に対する研究の成果により、ブレークスルー基礎物理学賞(2015年)、 コッコーニ賞 [A. McDonald氏と共同受賞](2013年)、ブルーノ・ポンテコルボ賞(2010年)、第47回仁科記念賞(2001年)、98年朝日賞[グループ受賞](1999年)を受賞している。

主催

中部大学 工学部 宇宙航空理工学科

後援

日本航空宇宙学会中部支部

問合せ先

中部大学工学部事務室 kogakubu@office.chubu.ac.jp
TEL : 0568-51-4319