(開催後記)
北部支部発足後29年目を迎える本年度は,NPO法人北海道宇宙科学技術創成センターの「第13回HASTIC学術講演会」との共催とした.推進系の学会(AJCPP2016兼第56回航空原動機・宇宙推進講演会や平成27年度衝撃波シンポジウムなど)との日程的な重なりから,当初は講演申込み数の落ち込みが懸念されたが,最終的に学術講演は45件にのぼる講演申込みが寄せられ,特別講演2件を含めて計47件の講演数(表1-1,2参照)となった.また,参加登録者数(表2参照)も計104名に達し,当初の予想を上回る参加数を得ることができた.
開催初日は,8つの学生セッション,2つの特別講演を実施した.参加登録者数も順調に延び,9割以上の方が初日から参加して頂いた.冬の北海道開催のため天候を考慮して前日入りされている方が多かったようで,朝のセッションから盛況であった. Lifting Off Young Bird採択団体の2件の成果発表は,前年度に引き続き学生セッションにてエントリーしてもらい,学生賞対象講演として口頭発表していただいた.
昼休憩ののち開催した特別講演1では,JAXA宇宙科学研究所准教授の津田雄一先生をお招きして,「小惑星探査機はやぶさ2の技術と運用状況」という題目でご講演いただいた.昨年12月に地球スイングバイを成功させて本年3月よりまさに小惑星Ryuguへの電気推進航行に移行するというホットな話題で,はやぶさ初号機とは異なる技術革新の紹介と現状をご紹介いただいた.
午後も学生セッションと一般セッションの平行セッションが引き続き行われた.初日移動の参加者がちょうど到着する時間となり,全体的に人数も増え,各会場とも盛況であった.
午後の最後に開催した特別講演2では,三菱航空機技術本部副本部長の佐倉潔先生をお招きして,「国産旅客機MRJの開発〜MRJを世界の空へ〜」という題目でご講演いただいた.昨年11月に飛行試験機1号機が初飛行し,FAAの型式証明を受けるための飛行試験を実施している最新状況について,飛行の様子の動画映像を交えながらご紹介いただいた.
初日講演会終了後には,講演会場隣のエンレイソウ レストランエルムにて懇親会を開催した.今回共催したHASTIC講演会の懇親会と合同で行ったこと,特別講演の1名の講師にもお時間の許す限り出席いただいたこと,多くの学生が講演会の参加したことなどから,非常に盛況であった.特別講演の先生を囲んで,講演後の質疑では聞けなかったお話しを議論しあう姿や,学生同士で互いの研究進捗について相談しあう姿が見受けられ,有意義な時間を過ごしていた.懇親会の途中で,学生セッションでの学生賞対象講演31件から選考された学生賞受賞者4名(懇親会当日は3名発表,後の幹事会にて同点講演も受賞が決まり,全部で4名)に対する表彰が行われ,藤田修支部長より賞状と副賞の授与が行われた.
開催二日目朝には,講演会に先立ち支部総会が開催され,本年度の事業報告と来年度の事業計画について承認された.
その後,再使用宇宙推進系シンポジウムと一般セッションが並行して行われた.再使用宇宙推進系シンポジウムは,近年講演数が減じる傾向にあり,本年度は特に前述したように推進系の学会と日程が近かったことから,昨年度の半数以下の6件の講演となった.一般講演にも6件の講演があり,最後の講演まで活発な議論が続けられ,好評のうちに無事終了した.
以上,本講演会は,50件弱の講演数・100名以上におよぶ参加者数を得ることができ,東北・北海道地区を中心とした航空宇宙関係の研究者が一堂に会して活発な議論を交わす場となり,成功裏に終えることができた.今回はHASTIC講演会との共催ということで少なからずHASTIC 関係者からご協力いただいた.また,例年のように各種団体に「協賛」,「後援」を頂いたことも成功の一因となっている.HASTIC講演会関係各位および,協賛いただいた「航空宇宙技術振興財団」,後援頂いた「JAXA」「東北大学流体科学研究所」の全ての関係各位にお礼申し上げる次第である.
日本航空宇宙学会北部支部2016年講演会ならびに第17回再使用型宇宙推進系シンポジウム
お知らせ
2015年11月6日(金) | 講演募集の情報を掲載しました |
2015年11月10日(火) | 講演受付を開始しました |
2015年12月11日(金) | 講演申込の締切を延長しました |
2015年12月27日(日) | 講演原稿の受付を開始しました |
2016年1月25日(月) | 講演プログラム(暫定版)を掲載しました |
2016年2月1日(月) | 講演原稿の締切を2月5日(金)まで延長しました |
2016年2月9日(火) | 講演原稿の提出を締切ました |
2016年2月10日(水) | 講演プログラムを更新しました |
開催期間および会場
2016年3月9日(水)〜10日(木)
北海道大学 大学院工学研究院 (北海道札幌市北区北13条西8丁目)
特別講演
- 津田 雄一
(JAXA 宇宙科学研究所准教授,小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトマネージャー)
「小惑星探査機はやぶさ2の技術と運用状況」 - 佐倉 潔
(三菱航空機 技術本部副本部長)
「国産旅客機MRJの開発~MRJを世界の空へ~」
主催・共催・協賛・後援
- 主催
一般社団法人 日本航空宇宙学会北部支部 - 共催
NPO法人 北海道宇宙科学技術創成センター - 協賛
一般財団法人 航空宇宙技術振興財団 - 後援
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
国立大学法人 東北大学流体科学研究所
講演申込
- 申込方法
下の申込ページからログイン後,本講演会を選択して講演申込を行ってください.(アカウントの登録が必要です)
<講演申込ページ: https://www.jsass.jp/pro2/> - 講演セッション
「一般セッション」,「学生セッション」,「再使用型宇宙推進系シンポジウム」から希望のセッションを選択してください.学生賞の審査対象となるのは学生セッションおよびオーガナイズドセッションの登壇者のみです. - 講演論文
発表者には講演論文の執筆をお願いしています.下記論文作成要領に従って,締切日までに原稿を作成し,提出用ウェブページから提出してください.
スケジュール
日付 | イベント | 状態 |
2015年11月10日(火) | 講演申込 受付開始 | 終了 |
2015年12月27日(日) | 講演申込 締切 | 終了 |
2015年12月27日(日) | 講演原稿 受付開始 | 終了 |
2016年2月9日(火) | 講演原稿 提出締切 | 終了 |
2016年3月9日(水) | 講演会 初日 | 終了 |
2016年3月10日(木) | 講演会 最終日 | 終了 |
プログラム
講演会参加費
講演論文集 (CD-ROM) 含む
正会員:6,000 円
非会員:8,000 円
学生会員:2,000 円
懇親会
2016年3月9日(水)17:00~19:00
会費:4,000 円/人(学生は無料)
会場:レストランエルム(ファカルティハウス「エンレイソウ」内)
<キャンパスマップ>
学生賞
学生の活発な研究,発表を奨励するため,Best Presentation Award for Student を企画しています.この賞は,学生会員による発表を対象に審査するものです(事前の学会加入が必須です).なお,学生賞の選定に関しては北部支部幹事会にて決定致しますことをご了承ください.
- 対象
申込当日に発表者が学生であり,かつ学生セッションで講演されるものを審査の対象とします. (講演形式は一般セッションと同じ) - 応募資格
受賞者が日本航空宇宙学会の会員でない場合は,入会していただくことが条件になります. - 審査方法
複数名の審査員による評価に基づいて選考し,受賞者を決定します.
講演形式
- 機器
発表は口頭発表とし,実行委員会が準備する機器は,原則として液晶プロジェクタのみとさせていただきます.パーソナルコンピュータは各自ご持参ください. - 講演時間
1講演あたりの割当時間は,20 分 (討論 5 分を含む) です.
論文作成要領
講演論文集は CD-ROM により配布致します.原稿は PDF 形式に変換したものを電子投稿してください.
- 原稿書式
以下の見本に記載された書式に従って原稿をご用意ください.
<PDFファイル> <Wordファイル> - 提出方法
応対著者に電子メールでお知らせしたリンク先より PDF ファイルをアップロードしてください.なお,この時の講演番号は申込をした際の自動返信メールに記載された受付番号とします (正式な講演番号は事務局で付与します).PDF アップロード画面へは講演申込ページから行くこともできます. - 原稿締切
2016年1月29日(金)
問合せ先
〒050-8585 北海道室蘭市水元町27-1
室蘭工業大学大学院工学研究科
廣田 光智 (北部支部幹事)
E-mail: jsass-n2016@mmm.muroran-it.ac.jp
TEL: 0143-46-5367, FAX: 0143-46-5367