航空交通分野におけるカーボンニュートラル達成に向けた研究会

近年の世界的な地球温暖化対策の流れを受け,航空交通分野においても,国際民間航空機関が2050年までのカーボンニュートラル達成という目標を掲げている.しかしながら航空交通はその仕組み上,他の産業や交通手段に比べて CO2 排出量を削減することが困難であり,どのようにカーボンニュートラルを達成するかは現在も議論が続いている.

航空交通分野のカーボンニュートラルに関しては主に,マクロな議論(航空交通分野全体から排出されるCO2排出量の予測と削減シナリオの検討)とミクロな議論(代替燃料や運航改善といった具体的な排出削減手法の検討)が並行して進められているが,どの手段をどの路線に,どれだけ導入することでカーボンニュートラルが達成されるのかといった,マクロとミクロの議論を統合した検討が進展していない.そのような検討を行うためには,異なる分野の専門家が連携した議論を行う必要があると考えられる.そこで本研究会では,航空交通におけるカーボンニュートラル実現に向けた,分野横断連携を行うことを目的とする.

本研究会を通して航空交通業界に対して,どのようなCO2排出削減手段を,どの路線に,どの程度導入することで,業界全体としてカーボンニュートラルを達成するべきかを検討する機運をつくり出すことに貢献する.また学術的観点においては,マクロとミクロな議論といった課題の構造を考慮した分野横断連携をすることで,実社会に具体的な解決方針を提示することができることを示し,分野横断連携のベストプラクティスを示すことを目指す.

代表者:虎谷大地 (電子航法研究所),幹事:伊藤貢司 (桜美林大学)