東日本大震災から10年が経とうとしている。東日本大震災では,地上インフラが大きな被害を受けるなか,航空機や人工衛星が情報収集,通信,捜索救難,物資輸送等に活躍したが,統合された航空宇宙システムやその非常時の運用体制の構築など将来起こり得る大規模災害に有効に対処するための課題が明らかとなった(対震災航空宇宙技術調査タスクフォース提言)。一方,近年は大学やベンチャー企業による小型衛星の開発・利用が広がっている。また,無人航空機の産業利用が急速に進んでおり,これらの新しい航空宇宙技術の防災・減災への利活用が期待されている(防災基本計画 令和 2 年 5 月 29 日修正版など)。
本研究会の目的は,これらに応える航空宇宙技術の研究開発を,防災・減災に関する様々な分野との連携によって促進/支援することにある。本研究会では,航空宇宙分野と防災・減災に関連する分野の研究者,実務者が集まり,災害対応における課題やニーズ,技術動向などを調査研究してその成果を学会内外に発信する。また,防災学術連携体の活動などを通じて広範な学術分野との連携を推進する。これらの活動を通じて,防災・減災に資する航空宇宙技術の研究開発とその成果の社会実装を促進/支援し,以って安全・安心な社会の実現に貢献することを目指す。
代表者:原田賢哉 (JAXA),幹事:川北史朗 (JAXA)