第61回宇宙科学技術連合講演会 開催報告

電気推進・先端推進部門発足により、2017年の第61回宇宙科学技術連合講演会から主催8部門委員会が主催9部門委員会と改組されました。

オーガナイズドセッション「小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 」を企画・開催しました

 2003年、日本は世界に先駆けて超小型人工衛星の宇宙運用を実証した。それ以降15年の歳月を経て、全世界で年間100基にも上る爆発的な打ち上げ基数の増加を示しています。既に超小型衛星を利用したビジネスも数多く生まれてきており、この流れはさらに加速されるものと考えられます。しかし、これら超小型衛星の多くは推進機が搭載されておらず、自らの軌道制御等に制約を抱えて運用を行っていました。近年、ようやく推進機を搭載した例も現れ始め、2014年には50 kg級の小型衛星ほどよし4号機においては世界初となるイオンスラスタの運用を東京大学が成功させました。今後、超小型衛星のフォーメーションフライト等、運用の高機能化には推進機が不可欠な存在となります。この分野をさらに伸ばすためには小型衛星用推進系と衛星システム側の多くの専門家が一堂に会して研究の方向性を共有する必要があると考えられます。折しも、日本からEQUULEUS, GRUS, PROITERES 2号機など推進機を搭載した小型衛星の打ち上げが控えており、また、本年度から日本航空宇宙学会において電気推進・先端推進部門が立ち上がったことを契機に原動機・推進部門との共同で本OSを提案した次第です。

セッション構成

化学推進系 1セッション(4件),電気推進系 2セッション(8件),衛星システム系 1セッション(5件) 計17件発表

セッション詳細

E会場 OS20 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 10月25日(水) 09:30~10:50 司会者:田原 弘一(阪工大)

1E01 端面燃焼式ハイブリッドロケットの宇宙機への応用 ○齋藤 勇士,君野 正弥,津地 歩,尾村 和信(北大),安河内 裕之,添田 建太郎(東大),戸谷 剛,脇田 督司,永田 晴紀(北大)

1E02 60%過酸化水素水を用いた超小型衛星搭載用一液式推進系の開発 ○飯塚 俊明,飯塚 征也,阿部 圭典(小山高専),伴野 眞優,賀来 将大,小林 悠也,松島 純,中村 健二郎,佐原 宏典(首都大)

1E03 60wt%過酸化水素水を用いた超小型衛星搭載用二液式推進系の開発 ○小林 悠也,松島 純,賀来 将大,伴野 眞優,中村 健二郎,佐原 典(首都大),染谷 昴,飯塚 俊明(小山高専)

1E04 レーザにより燃焼を制御する固体マイクロスラスタ ○各務 聡,原口 大地,矢野 康之(宮崎大)

詳細:第61回宇宙科学技術連合講演会