これまで、電気推進・先端推進に関連した研究は幾つかの学会で発表されてきた。日本航空宇宙学会を始め、日本機械学会、電気学会、プラズマ・核融合学会、応用物理学会等、海外ではAIAA、IAC等である。また、国際会議としては、上記各学会の国際会議とは別に、唯一最大の国際会議として、国際電気推進会議International Electric Propulsion Conference (IEPC)がある。国際電気推進会議は、隔年開催される、先端的宇宙推進の代表的な電気推進、いわゆる電気ロケット推進関係全般にわたる唯一の国際会議である。もともと、米国航空宇宙学会の国内会議であったものに欧州電気推進会議が合流し、続いてドイツ航空宇宙学会と日本航空宇宙学会が加わった。その後、電気推進ロケットの研究者、技術者のコミュニティとして、電気ロケット推進ソサエティ (Electric Rocket Propulsion Society: ERPS)が発足し、本国際電気推進会議（International Electric Propulsion Conference：IEPC）を主催し、現在に至っている。その内容は電気推進ばかりではなく、先端的宇宙ロケット推進全般にわたり、また、プラズマ産業応用なども含んでいる。表１に米国内学会であった第1回大会から2019年開催予定の第36回IEPCまでの沿革を示す。我が国においては、1984年東京大会、1999年北九州大会に続き、一昨年2015年に16年ぶりに第34回国際電気推進会議2015 IEPC Kobe-Hyogo, Japanを、日本航空宇宙学会のご協力の下、ISTS/NSATと共催で、神戸において開催した。同会議は、参加者数（573名）／論文数（469件）ともに過去最大のIEPCとなった。JSASS、 ISTS、 NSAT関係各位のご協力に心からの謝意を表すものである。詳細は日本航空宇宙学会誌（Vol. 63, No. 12）「第30回宇宙技術および科学の国際シンポジウムーISTS2015兵庫・神戸大会開催報告ー舘和夫」をご覧頂きたい。

表１　国際電気推進会議IEPC沿革